学校設置会社連盟、 「設立5周年記念シンポジウム」を開催
2010年11月16日
『学習者20,000人になった今、
特区学校は学びのニーズの多様化に寄与し、社会に有用であるか』
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▲熱心に聞き入る約80名のシンポジウム参加者 |
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▲第1部 日々輝学園高等学校理事長・小椋龍郎氏より不登校についての実践報告がなされた |
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▲第2部パネルディスカッション『廃校のある地域の活性化と生徒の変容』で積極的な意見の交換が行われた |
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▲教育特区の学校が「新しい教育の担い手であることをもっと主張すべきだ」と述べた衆議院議員・下村博文氏 |
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▲特区学校の制度的・経済的評価を語る衆議院議員・福島伸享氏 |
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▲第3部パネルディスカッション『特区学校の役割と今後の課題を考える』で上田学京都女子大教授より英国での株式会社立学校の状況を聞く |
学校設置会社連盟は設立5周年記念にあたり、11月16日、東京都千代田区の衆議院第二議員会館で参加者約80名を集め、『学習者20,000人になった今、特区学校は学びのニーズの多様化に寄与し、社会に有用であるか』と題した記念シンポジウムを開催した。
同シンポジウムは不登校に関する実践報告や1部、2部に分かれたパネルディスカッションを通じ、特区学校の実態、果たして来た役割とその有用性が検証され、今後の課題を総括するまでに至った。
第1部 実践報告『不登校を乗り越えて』
第1部では日々輝学園高等学校理事長・小椋龍郎氏より、同校が生徒へのアンケート調査でまとめた『不登校を乗り越えて(改訂版)』等を参考に、不登校の現状、高校卒業後の状況など実践報告がなされた。
特に実際の指導・支援を通して、「精神疾患との診断後薬を服用している生徒が微増」、「受診していない生徒の中で自傷行為におよぶ、または希死念慮の強い生徒の増加」など状況変化をあげ、現場で対応に追われる教師の姿が浮き彫りにされた。
またアンケート調査による卒業生の就業に関する具体的な数字をあげ、最近の就職難もあり社会の一員になるまで時間がかかるとの指摘もあった。
第2部
『廃校のある地域の活性化と生徒の変容』
(パネルディスカッション)
第2部「廃校のある地域の活性化と生徒の変容」と題したパネルディスカッションでは、4パネリストによるそれぞれの特区における学校づくりと地域活性化に結びついた各事例などが報告された。
特に地域に根ざすために開校当時から住民への理解を得るための苦労や施策、積極的な地元行事参加による生徒の社会性の向上などの具体的な事例があがり、今後の学校づくりについても意見交換がなされた。
第3部 『特区学校の役割と今後の課題を考える』
(パネルディスカッション)
第3部「特区学校の役割と今後の課題を考える」と題したパネルディスカッションでは、自治体からと特区推進サイド・支援者双方から発表があり、特区学校、教育特区制度が向かうべき方向性についても話し合われた。各パネリストと発表主旨は以下の通り。
●手嶋 秀昭氏(福岡県川崎町町長)
「明蓬館高校の開校前と開校後の変化/保護者の経済的負担の軽減へ助成金の必要性」
●石黒 豊氏(長野県上田市副市長)
「さくら国際高校の開校経緯とその後/国からの注目、支援策の検討の必要性など」
●下村 博文氏(衆議院議員)
「特区制度の狙いと今後の課題として教育バウチャー、各種法律制定などの必要性」
●福島 伸享氏(衆議院議員)
「教育の国際化へのかじ取りと特区学校に求められる課題」
●上田 学氏(京都女子大教授)
「海外の事例を基に株式会社立学校の経営安定のためのこれからの条件など」
司会/日野 公三(当連盟理事長)
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最後に元内閣府構造改革特区室参事官で、当連盟評議委員・檜木俊秀氏(株式会社パソナグループ常務取締役)から、「特区学校はすでに社会に有用である。さらに学校経営安定のために海外の事例を参考に、アウトソーシングの導入、教員の人材バンク等様々な工夫が今後も必要とされるのではないか」との総評を得た。
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