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地域への感謝、平和への思いを訴え「創立20周年記念式典」を開催/さくら国際高等学校(長野県・通信制高校)

2026年02月19日

2月8日(日)、さくら国際高等学校は、長野県上田市にて創立20周年記念式典をサントミューゼ大ホール(長野県上田市)にて開催しました。

 

 

2005年に長野県内初の株式会社立広域通信制高校として初めて創立され、創立20周年を迎えた同校。

挨拶に立った荒井裕司理事長は、「私たちは、東京渋谷の小さな学習塾からスタートしました。子どもたちのどんなニーズにも応え、どこまでも寄り添うという信念のもと、これまで学びの場を提供してきました」と20年の歩みを振り返りました。

「上田市の地域のみなさんが子どもたちを見守り、成長させてくださった。お神輿などの地域行事や農業体験、保育園との交流といった、地域と連携したさまざまな体験学習をはじめ、楽しい学校づくりを行うことができました。調査に来られた担当官からは『素晴らしい学校ができた。こんな地域はどこにもない、理想的です』とお褒めの言葉までいただけました」と、地域への感謝を述べました。

 

 

荒井理事長からは学校創立や運営に対する感謝の意を表して、各位に感謝状が贈呈されました。

 

 

また、漫画家・ちばてつやさんと荒井理事長が共同作詞を手掛けた新校歌が披露されました。上田本校と東京校の生徒が高らかに歌い上げ、会場からは大きな拍手が送られました。

 

 

同校は、教育活動の一環としてラオスでの学校建設活動などの国際協力や平和活動にも力を入れています。

式典に続いて行われた「平和をテーマとする基調講演」では、ノーベル平和賞を受賞した「日本被団協」の事務局長を務める濱住治郎さんが登壇。「ノーベル平和賞受賞の意味(理由)」と題し、受賞の様子の映像をまじえつつ講演が行われました。

広島の胎内被爆者でもある濱住さんは、2018年10月にニューヨークの国連本部に「ヒバクシャ国際署名」を提出。2024年12月、オスロで開催されたノーベル平和賞授賞式に出席しました。

世界で核兵器のタブーが揺らぐ現状を踏まえ、受賞発表が1年早まったことについて触れ、「人間は核兵器を持ってはならない、一人ひとりの力で世界をより良い方向へ」と訴えました。

 

 

続いて、元高校生平和大使である大学生の木場笑里さんと荒井理事長が司会を務め、「未来につなげる平和への思い」をテーマにしたシンポジウムが行われました。

 

 

講演に立った濱住さんに加え、ちばてつやさん(ビデオメッセージで参加)、ちばてつやプロダクションの千葉洋嗣さん、戦没画学生慰霊美術館「無言館」館主の窪島誠一郎さん、核廃絶を訴える長崎出身の大学生・安野美乃里さん、さくら国際高校本校と東京校から代表生徒が1名ずつ登壇し、それぞれの立場から平和に対する思いを表明し合いました。

 

 

 

 

 

 

 

東京校代表の根井優さんは、自身が所属するダンス部の活動を、ニューヨークのカーネギーホールにて行われた公演の映像をまじえて紹介。

平和への祈りを込めた布を使ったパフォーマンスにスタンディングオベーションが起こったといい、「先輩たちの活動を受け継いで、自分たちも誇りを持って一生懸命取り組んでいるところです。ダンスを通じて、少しでも平和の大切さが伝わるように精一杯のパフォーマンスをしていけたら」と、創作の可能性と活動を通じた決意を述べました。

 

 

上田本校代表の荻原育さんは、『宙わたる教室』の読書感想文で、全国高校生読書感想文コンクールで毎日新聞社賞を受賞。

定時制高校を舞台にした本書は、読み書きに困難のあるディスレクシアや起立性調節障害、不登校など、年齢も経歴も異なる学生たちの科学部での実験を通じた交流を描く物語。

荻原さんは「近年、自分とは異なる価値観を持つ人を排除する動きが強くなっていると感じる。それはやがて人々の間に対立を生み、戦争を生むことにつながるのではないか」と危機感を示し、多様性や他者の価値観・意見を受け入れ合うことの重要性を訴えました。

 

 

同校生徒の意見発表を聞いた濱住さんは、講演で述べた「一人ひとりの力によって世界をより良い方向へ形作ることができる」というメッセージを踏まえ、生徒の姿勢を称賛。

「世界唯一の被爆国である日本が、平和への思いを世界へ発信していくこと、違う文化や価値観の人たちと一緒に考えていくこと、素晴らしいことです。そういった考えが日本中に広がっていけば、世界は変わっていくと思います」と期待を述べました。

 

続く祝賀会では、台湾の姉妹校・南榮国民中学校などからの来賓、関係者らが参加し、鏡開きで周年を祝いました。

 

 

会の冒頭、本校を80歳で卒業した山本菊子さんへ賞状が贈られました。「戦後の貧しさから進学できなかったが、いつか時間とお金ができたら学びたい」という長年の夢を叶えた山本さんは、荒井理事長とあたたかい抱擁を交わしていました。

 

 

祝賀会では、同校卒業生であるピアニストの向田成人さんのピアノ演奏や、東京校のダンス部によるダンスが披露され、会場のお祝いムードをさらに盛り上げていました。

 

▲卒業生ピアニスト・向田成人さんによるピアノ演奏

 

▲奇跡の一本松から作られた布を使い、平和と復興への祈りを込めたダンス。

 

▲歴代のダンス部員が受け継いできたという「シング・シング・シング」。リズミカルなジャズに合わせたダンスで会場を盛り上げました。

 

関係者や在校生、卒業生らが一堂に会し、周年を和やかに祝う日となりました。

 

(取材・文/学びリンク編集部 小野ひなた)