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第1回夏季研修会―通信制高校卒業生に支援充実の上級学校との交流会―を開催
2026年08月26日

新しい学校の会(略称:新学会、理事長:大森伸一)は、8月25日、東京都千代田区で「第1回夏季研修会―通信制高校卒業生に支援充実の上級学校との交流会―」を開催した。
今年で創立21年目を迎える新学会が夏季研修会を行うのは今回が初めて。研修会では賛助会員となる大学、専門学校、教育関連企業などが、通信制高校の卒業生を迎えるうえでの取組みや支援についてプレゼンを行った。
新学会はこれまで通信制高校卒業生の大規模アンケート調査を行っている。通信制高校の卒業時進路状況は昨年度、初めて大学等進学者がトップとなり、近年、大学、専門学校への進学者が増加傾向にある。一方で、進学後の定着に課題があり、新学会調査でも、大学・専門学校ともに退学率の高さがうかがえた。
そうした状況を踏まえ、賛助会員となっている上級学校などが行う学生支援や通信制高校卒業生を迎えるうえでの情報を共有し、進路指導にあたる通信制高校教職員との交流を図るのが今回の狙い。
挨拶をした大森伸一理事長は、「進学者が途中で辞めてしまうのではなく、確かな実力をつけて社会で活躍してくれることが私たち教職員の共通した願いだ」と述べ、通信制高校生の特性を踏まえたうえで「入学後の学習面、メンタル面のケアが非常に重要になってくる」と述べた。今回の研修会も「高校側へのご要望も伺いながら、今後の生徒指導において実り大きいものになることを願います」と期待を込めた。

(挨拶を述べる大森伸一理事長)
会の前半では、専門家による大学進学、専門学校進学についての基調講演も行われた。
大学進学に関する講演を行った元河合塾COSMOチーフの平野稔さんは、通信制高校からの大学等進学者が安定した学生生活を継続していくために、高校側、大学側でできる支援について講じた。
高校側については、近年、総合型選抜、学校推薦型選抜の受験者が増加する中で、進学する大学の学びと関連の深い教科の学力を充分に習得しておく必要性を述べた。また、曖昧な理由で進学を選択する受験生が多いことから「将来をどうしていくか、大学で何を学びたいのか、それを自分の意思で考える機会にしてほしい」と述べ、高校側においても、その機会提供の場を求めた。
また、日常的に通学を経験しない生徒もいることから、「合格が決まってから入学までの間に、高校の中で大学生活を迎える準備をサポートしていくことも大事」とし、生活リズムを整える支援の必要性についても述べた。
一方、大学側には学生との関係づくりについて述べた。
近年、多くの大学が初年次教育や担任制、相談窓口の設置など、様々なサポート体制を整えているが、それらを学生自身が活用しきれていないといった状況もうかがえる。「システムを用意するだけでなく、学生が自分の弱みや困っていることを本音で話せる関係性の構築が大事になる」と指摘。また、学生が大学を継続していくうえでは「自分のためにこれだけのことをやってくれている、と学生が大学に愛着心を持てることが、中途退学への抑止力になるのではないか」と述べた。

(大学進学に関する基調講演を行った平野稔さん)
専門学校の動向について講じた株式会社ライセンスアカデミー教育事業部執行役員の尾高忠明さんは、今後、将来の予測がつきにくくなる「VUCA時代」において、手に職をつけることの重要性を強調した。
専門学校は全国に約2700校、学べる分野は約8000学科あると言われており、進路指導においては「8000通りの職業に導くことができる」とし、特に通信制高校と専門学校の連携の必要性を強調した。
また、AIが発達し、進路でもChatGPTが活用されるようになった今でも、生の情報はAIに反映されないケースもある。「学費でも具体的な金額や平均値などの数値はAIで知ることができるが、別途でかかる細かな費用、実際の就職支援の在り方などは、AIは引っ張ってこられない。その点は学校間のリアルな交流でわかってくる情報だ」とした。
さらに、同じ分野の専門学校であっても、都市部か郊外か、人数規模、欠席連絡のルール、教員との距離感など、細部の違いが多様にある。「良い・悪いではなく、その生徒に合うか・合わないか。それを導いていくのが大人の役割であり、AIにはできないこと」だと、進路指導における教員の役割について講じた。

(専門学校に関する講演を行った尾高忠明さん)
その後は賛助会員となっている16の上級学校、教育事業関連のプレゼンが行われ、各校の取組みや、通信制高校生の状況、具体的な学生支援などについて紹介された。少人数制や担任制、キャリアを広げる多分野の講義選択、オンラインと通学を組み合わせたハイブリット、入学前支援など、通信制高校との親和性の高い取り組みが数多く紹介され、安心した進路選択やその後の学生生活に期待ができる内容となった。

(各上級学校、教育事業関連のプレゼン)
閉会挨拶を行った荒井裕司副理事長は、通信制高校生の割合が今後さらに高くなっていく状況を踏まえ「通信制高校生に合わせた社会の流れを自分たちで作っていかなければいけない」としつつ、すでにその流れを実践し始めている各上級学校のプレゼンに対し「そうした学校に生徒たちを送ったら、きっと子どもたちは幸せになるな、いい社会参加ができるな」と賛辞を贈った。

(閉会挨拶を行った荒井裕司副理事長)
新しい学校の会は、2003年施行の構造改革特別区域法により開校した株式会社立の学校が集い「学校設置会社連盟」の名称で2005年に発足。その後、一部会員校による学校法人への設置者変更などを受け2011年に団体名を現在の「新しい学校の会」へと改称した。以降は学校設置会社、学校法人、また学校設置を構想・計画する法人個人が集まり、次世代を担う人材育成、学校教育、学校経営の在り方を探求し実践する活動を続けている。
新しい学校の会 第1回夏季研修会
2026年8月25日(火)
アルカディア市ヶ谷 私学会館(東京都千代田区)
基調講演
大学等進学基調講演 講師:平野稔 氏
専門学校進学基調講演 講師:尾高忠明 氏
賛助会員によるプレゼン
(教育事業関連)
株式会社城南進学研究社
損害保険ジャパン株式会社
(大学等関連プレゼン)
開志創造大学
嘉悦大学
iU情報経営イノベーション専門職大学
深圳大学 東京校
学校法人清泉女学院
東京工芸大学
人間総合科学大学
和光大学
(短大・専門学校等プレゼン)
岡山短期大学
神奈川ビューティー&ビジネス専門学校
横浜デジタルアーツ専門学校
日本医療ビジネス大学校
ヤマザキ動物専門学校
(特別プレゼン)
LEC会計大学院